追憶 大阪アジアン映画祭 -Osaka Asian Film Festival revisited

大阪アジアン映画祭で上映決定。
知らせを受け、喜びとともに過去の記憶が蘇った。

5年前。初監督作『3泊4日、5時の鐘』も国内最初の上映は大阪アジアン映画祭。同じ年の1月にオランダで交通事故に遭い骨折をしてしまった影響で、1回目の上映には残念ながら立ち会うことができなかったが、出演の堀夏子さん、福島珠理さんがQ&Aに登壇。観客の皆さんからも好反応を頂いたと知らせが届く。私の両親も会場の映画館(シネ・ヌーヴォ)におり、司会の方から紹介までして頂いた、と知る。しかも、紹介だけでなく一言挨拶もしたとのこと。

数日後。私は2回目の上映に間に合うように大阪へ向かった。
映画媒体の方にインタビューをして頂いたのもこの時が初めて。
Q&Aには同じタイミングで来阪した出演の中崎敏、兄・啓吾も登壇し、やや緊張しながらスタートしたものの観客の皆さんのおかげで和やかな雰囲気の中、終えることができた。その夜に3人で歩いた大阪の繁華街。〆に食べた、かすうどんが沁みた。

別の晩。当時在学していた日本映画大学の教員、学生もワークショップ(?)のため大阪に来ており、短い時間ながら一緒に過ごすことができた。

さらに日は変わり、ウェルカムパーティーでは『ある殺人、落葉のころに』に出演することになる森優作と初めて会った。お互い堅い挨拶を交わす程度だったが、あの時の出会いが『落葉』に繋がっていると思うと感慨深い。また、『3泊4日』を見てくださった方も気さくに声をかけてくださり良い思い出として記憶に残っている。

翌2016年。『落葉』のプロデューサーであるウォン・フェイパンがオムニバス映画『十年』の監督の一人として大阪アジアン映画祭に参加した。ちょうど同じ時期におおさかシネマフェスティバルの授賞式出席のため大阪にいた私は彼と久々に会うことができた。前年10月の釜山国際映画祭以来、約半年ぶりの再会。ここでも〆にかすうどんを食べた。(以後、大阪と言えば“かすうどん”が定着)その時にまだ企画とも呼べない段階だった『落葉』を次の年の11月には彼らと撮影していたと思うと、月並みだが、人と会うことのかけがえのなさを痛感する。
また、大阪在住のKさんに丸一日大阪を案内して頂いたのもこの時だ。私の大阪観が深まる時間となった。

撮影を終えた次の年。2018年の大阪アジアン映画祭には『落葉』にも出演しているロー・ジャンイップがメインキャストとして出演した『中英街一号』がグランプリを受賞した。来年こそは『落葉』を、とそのニュースに触れながら意気込んでいたが、ポストプロダクションに時間がかかり断念。

そして、今年2020年。ようやくエントリーすることができ、選出の結果を頂くに至った。

ここまで思い出すままに大阪アジアン映画祭にまつわる思い出を書き連ねた。きっと記憶違いもあるだろうが、それもいいだろうとも思う。

韓国、台湾、香港とこれまで上映してきて、国内初上映を大阪アジアン映画祭で迎えられることが本当に嬉しい。

最後に、私が最初に大阪へ行った思い出を。
今からちょうど10年前。
東京公演がソールドアウト。大阪公演ならまだギリギリ買えたボブ・ディランのライブ。兄と青春18切符をつかって神奈川から大阪へ、何時間もかけて見に行った。
その時に演った“Ballad of a Thin Man”は『落葉』の脚本執筆時にもよく聴いていた。歌詞にこんな一節がある。

Because something is happening here
But you don’t know what it is
Do you, Mister Jones?

だってここで何かが起こっているのに
あんたはそれが何なのかわからない
そうだろう、ジョーンズさん?

-“Ballad of a Thin Man” Bob Dylan
訳:中川五郎

大阪でお会いできることを楽しみにしています。

三澤拓哉
映画『ある殺人、落葉のころに』脚本・監督

20200209

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